電気・通信・分解
ものぐさな私は、録画パソコンなるものを立ち上げて、そいつにテレビ録画を任せることにした。録画パソコンはそのあたりにあったロープロファイルの筐体を使ったため、PCIカード型のチューナーボードは使えなかった(パソコンのスペックも、ここでは書けないほど低スペックなため、ソフトウェアエンコードのカードはきつかった・・・)。
カノープスの製品は高い(でも、意外と保有しているのであった・・)ので、ちらっと気になっていたアイオーデータのGV-MVP/RZ2を、アイオーデータファクトリーストアの「じゃんじゃんジャンク市」からゲットした(そのはるか昔、広報の村○さんがいた時代であれば、貸してーと言えるのだが・・今の広報さんとはお付き合いはないし、カタログもいつの間にか1部しか送ってくれなくなったので、アイオーとは距離を置いている状態)。
さて、お約束。ここで紹介する情報は、「あくまでも情報」に過ぎず、この情報をもとにして製品本体に改造を加えたり分解した場合、メーカーの保証は一切受けられなくなります。保証だけでなく、不適切な場合は発煙・発火などを含み、財産に多大なる損害をもたらす場合があります。また、紹介した情報についても、私の経験に基づいたものであり、電子回路や設計上許容されている電流・電圧以上が流れ、場合によっては接続するもの全てが破壊される恐れがあります。この場合でも、私は一切責任をとることはできません。ネジ1個でもゆるめた場合は、全て本人の責任において実行してください。
このチューナーボックス、意外と画質もよろしい(隅っこまで観察するほど目は肥えていません・・)ようで、付属ソフトもそれなりに便利に使えて重宝しています。しかーし、電源を入れたままパソコンを再起動すると認識してくれないんです・・・。
アイオーのホームページによると、起動時に電源を入れていなかったら認識しない場合があるとの表記がありますが、うちとは全く逆の症状。しかも、デバイスの認識ができないと、予約リストがきれいサッパリクリアされるという仕様(オイオイ)。
色々と調べた所、GV-MVP/RZ2に内蔵されているUSBハブは認識されるが、チューナーユニット部が認識されないと言うことが判明。これはきっと、パソコン起動時にUSBハブが認識され、それらのタイミングによってチューナー部が認識されないんだろうと当たりをつけて、分解開始。
(この後、分解した部品を踏まないように歩いていたらつまづき、手をついたところにGV-MVP/RZ2の筐体がおいてあり、右手小指側の付け根を2.5cm切ってしまい、血が止まらなく、病院に行って処置をしてもらったと言う・・・。分解・改造するときは、広いスペースで行いましょう・・・・)
さて、本体背面部からのUSB信号は、NECのUSB2.0ハブコントローラー μPD720112(だったかな?) に接続されています。これは4ポートUSBハブICなので、それぞれが全面のUSBへ、背面のUSBへ、チューナー部へ、1ポートはNCとなっています。
NEC製USBコントローラーチップと言えば、性能は折り紙付きらしい噂を聞いておりますが、パソコン本体のUSBチップとの相性や、OSからのイニシャルのタイミングなどで、このチップに直接接続されているチューナーデバイスが認識できない(であろう)ので、ハブ機能を全て殺して、背面のUSBに接続したらチューナー部に直接接続したように改造してみる、という方法をとってみた。
GV-MVP/RZ2は基盤設計をアイオーで行ったのか、アイオーの開発コード(らしき)も刻印されている。メイン基盤(チューナーユニット側)には、なんと直結用のUSBパターンも用意されているではないかっっ。筐体に手を加えて、省かれた部分に部品を盛っていくと、ハブ機能のないGV-MVP/RZ2が完成しそうな勢いである。
しかーし、右手をざっくり切って負傷している今、そんな丁寧なことをしている心の余裕がないため、USBハブ基盤に手を入れ、さっくりとUSBコントローラーを殺してしまうことにする。
ピン番号 | 信号名 | 用途 |
56 | DPU | 外部からのUSB入力 |
55 | DMU | 外部からのUSB入力 |
61 | DM1 | フロントUSBポートへ |
62 | DP1 | フロントUSBポートへ |
65 | DM2 | チューナー部USB信号へ |
66 | DP2 | チューナー部USB信号へ |
69 | DM3 | リアUSBポートへ |
70 | DP3 | リアUSBポートへ |
75 | DM4 | NC(終端処理) |
76 | DP4 | NC(終端処理) |
この写真は、USBハブ部の写真。
写真では既にジャンパを飛ばしてあるけれども、実際の製品には存在しないはず(たぶん)。
ジャンパを飛ばす前に、上の赤丸の部分をパターンカットします。
(写真上側のパターンは、ICピンに近いため、パターンカットは慎重に。隣とのショートも厳禁です。)
パターンカット終わったら、表面を削って銅パターンを出し、フラックスをぬって半田を盛ってジュンフロン線で飛ばしてやればこちら面は完成。
これで、筐体背面からのUSB信号は、そのままテレビチューナー部へ接続されます。
また、飛ばしたジャンパは、ホットボンドなどを使って固定しておいた方が良いでしょう。
こちらは、USB基盤を取り付けた状態です。
上記の赤丸の部分をパターンカットします。
こちらは非常に細い線ですので、カットも慎重に。横のGNDと接触しないように処理してください。
この信号は、ハブICへの電源供給のための制御信号のようです。
前面の電源スイッチをポチット押したときに、ハブIC部と通信をして、デバイスを認識させたりするような働きではないかと、勝手に空想しております。
(急いで組み付けておかないと、録画時間になるので詳細な解析をしておりません・・・)
さて、これで分解と逆手順で組み立てて、パソコンに接続すると・・・・。
何事もなかったかのようにデバイスを認識するではありませんか!!
おおー、パソコンを再起動しても、ばっちり認識です。素晴らしい!!
お陰で、録画予約が飛ぶこともなくなりました。
GV-MVP/RZ2をお使いの方で、デバイス認識問題に悩んでいる方、USBハブが必要ない方、改造の自信がある方、自己責任で試してみてはいかがでしょう・・・。